1.人間の嗅覚と臭いの関係
人間の嗅覚は、非常に敏感であり、鈍感でもあります。
臭いの元となる成分の量(刺激量)と人間が感覚的に感じる臭いの量の関係は、
下の図のような
『感覚量は刺激量(悪臭物質濃度)
の対数に比例の関係

(ウェーバー・フェヒナーの法則)』に
あるといわれています。
図からは、物質を97%除去してもにお
いの感覚は半分になったとしか感じず、
99%除去してやっと1/3になったと感
じることがわかります。
人間の嗅覚は高濃度では鈍感に、低濃
度では鋭敏に働き、人間の体を刺激
から守ります。人間の鼻は低濃度でも
臭いを感じ取ってしまうため消臭には
特殊な技術がいります。
2.消臭機構
①マスキング法 (香料等) とは?
消臭技術においてマスキングは、悪臭を他の強い臭いで感じさせなくするものですが、
ある臭いとの組み合わせでは高い効果を得られるものもあり、変調法ともよばれています。
(例)ジャスミンの香りと糞便臭
ジャスミンの花の香りは、ジャスミンティーなどで日ごろから楽しまれています。
しかし、ジャスミンの抽出物を分析しますとインドールと言う成分が約2%も含有
されています。このインドールは典型的な糞便臭ですが、ジャスミンの香りと組み
合わせることにより良い香りと感じることが出来ます。
トイレの消臭剤にジャスミンの香りが度々用いられるのはそのためです。
②化学的消臭法(通常の業務用消臭剤)
悪臭の元となる物質の代表として次の物質が上げられ、それぞれ次のような悪臭がします。
悪臭防止法指定の4大悪臭
アンモニア NH3 ・・・・・・・・・・・・ 糞尿・汗・肉の腐敗臭
トリメチルアミン (CH3)3N ・・・・・・ 魚の腐敗臭
硫化水素 H2S ・・・・・・・・・・・・・ 糞尿・生ゴミ・野菜・卵の腐敗臭
メチルメルカプタン CH3SH ・・・・・・・ 糞尿・生ゴミ・腐敗たまねぎ
アンモニア、トリメチルアミンのような、窒素(N)を含む含窒素系化合物はアルカリ性で、
酸性の物質と化学反応をして消臭されます。
(例)アンモニアとリン酸(H3PO4)の化学反応
H3PO4 + 2NH3 → (NH3)2HPO4
反対に、硫化水素、メチルメルカプタンのような硫黄(S)を含む含硫黄系化合物は酸性で、
アルカリ性の物質と化学反応を行い消臭されます。
(例)メチルメルカプタンと水酸化ナトリウム(NaOH)の化学反応
NaOH + CH3SH → CH3SNa + H2O
このような簡単な反応で、大量の悪臭物質を化学的に中和することが可能ですが、
酸性消臭剤はアルカリ性の悪臭、アルカリ性消臭剤は酸性の悪臭のみにしか効果が有りません。

